13.顎関節症の最も初歩的な発症原因は何か

重大な顎関節症の初歩的発症原因

顎関節症は、歯科治療時における咬合調整や補綴物作製時の印象採得等に原因があることを、今では充分に理解されたと思います。

この他に初歩的な、しかも顎口腔全般の構造やメカニズム、特に筋肉に対して無知ともいえる歯科医師の重過失による原因があります。

それは、医師が指を口内に入れて、口内周辺の筋肉を外側に向かって強く引っ張る行為です。

顎関節症の改善は全身のしこりが縮小し、健康維持に不可欠な伸縮性が復活します

12.口蓋の細胞改善方法で歯科治療により変形した口蓋の細胞を少しでも正常になるように改善させた結果、全身の至る所が改善していったことを説明しました。

当時受診していた大学病院口腔外科の准教授は、改善していく様子を診察のたびに確認していながら、私の行っている方法が体にどのような作用を与え、それがどのようなメカニズムによって全身を改善させていくのか、そのメカニズムを私が説明しても医師として理解することが全くできずにいました。

全身の改善は、体のねじれ改善が筋肉や臓器に生じた不要物質(しこり等)を縮小させて伸縮性が戻った結果であり、これは細胞の形状の改善が細胞活動を復活させ、細胞の機能を回復させたからです。

准教授は、毎回、首のあたりの触診も行っていましたが、しこりの縮小や筋肉の伸縮性の改善を准教授は認識しているのか、それともただ漫然と触診しているだけなのか私にはわかりませんでしたので、ある日、首や肩の筋肉のしこりも縮小して、かなり筋肉の伸縮性が改善しましたと、言いました。

准教授は、この時初めて筋肉そのものの変化に対しても意識したようで、肩や首を入念に触診するようになりました。
その後、口内から触れることのできる筋肉も触診しようと考えたようで、ある日突然にとんでもないことを行いました。

准教授が行った愚かな医療行為

准教授は、肩や首の触診後いきなり片方の手の指を口の中に入れ、内側から外方向に強く引っ張り、他方の手の指を口内の奥に入れて大臼歯奥の筋肉を強く押したりしました。
これを反対側の顎関節周辺に対しても行いました。
一瞬の出来事でしたが、私は不安になりました。

次回診察日、問診後触診が始まる前に、私は口の中に指を入れて外側に強く筋肉を引っ張り、他方の手の指で口内奥を押したりすることはしないで下さいとお願いしました。
准教授は、「触らないとわからないから、ダメッ」と強い口調で言い、以後診察のたびに行いました。

これを境に改善していた体調が逆に悪化し始め、12.口蓋の細胞改善方法で使用していた口蓋の型による改善効果もなくなるばかりか、逆に下顎は複雑に偏位して悪化していきましたので、顎口腔周辺の異常がこれ以上複雑になるのを防ぐために口蓋の型の使用を止めることにし、その旨を准教授に話すと、先生は「それは止める方がいい」と、朗らかそうな表情でおっしゃいました。

私は内心、口蓋の型の使用で改善していったメカニズムを准教授は全く理解できていないと思いました。
その後一度、准教授の方から「型を使用しているか」と聞かれ、「使用していません」と言うと、「使用しない方が良い」と前回同様、朗らかそうな表情でおっしゃいました。

准教授は、指を口の中に入れて内側から外方向に強く引っ張り、他方の手の指を口内の奥に入れて大臼歯奥の筋肉を強く押しながら、若い医師たちに「どの筋肉を触っているかわかりますか」と問いましたが、誰一人として答えませんでした。
准教授は、「○○筋」と答えるだけで、その筋肉がどういう状態にあると正常であり、どういう状態になっていると異常なのかについて話すことは一度もなく、若い医師との会話は、准教授の「○○筋」というところでいつも途切れていました。若い医師が数人いるときは毎回このような状況でした。

准教授は筋肉の構造やメカニズム等について何一つわからずにただ触っていただけであり、口内を始めとして全身異常が拡大していってもその理由を考えることもしないで漫然と同じことを繰り返しました。

私だけでなく准教授の治療を受けていた多くの患者も、取り返しのつかない重度の被害を蒙ったと思います。

今までにないほどに全身が悪化し始めました

全身はいままでにないほどに悪化し、椅子に座ったり立ち上がったりする動作だけでも心臓に強く影響するようになったため、日常生活では体の動きを極力抑え、行動はゆっくり行うようにして生活しました。

ある日、問診の診察を受けていたときに上体をわずかに先生の方へ向けるために左方向に動かしたときに全身に異常が走り、胸が絞めつけられて気分が悪くなり、体は熱くなりました。
顔が赤くなったようで、先生は咄嗟に「大丈夫?」とおっしゃいました。

このような現象は、准教授による愚かな医療行為が始まってからは頻繁に起こるようになり、この時も腰を少し浮かせて体全体を左に向けるとこのような現象は起こらずに済んだのでしたが、座っていたため上半身をわずかにねじった結果、全身に異常が起こったのでした。
私は上体を正面に戻して、「大丈夫です」と答えました。
全身異常は徐々に回復して、熱も少しずつ治まり、心臓等の圧迫による不快な気分も治まってきましたので、診察はそのまま続けていただきました。

次回診察日に先生から、「心筋梗塞や脳梗塞が起きる可能性があるので、その診察を受けたほうがよい」と言われました。

私は、「心筋梗塞や脳梗塞がいつ起こってもおかしくありませんが、原因は顎関節症の悪化によるものなので受診する考えはありません」と答えました。

全身異常が広範に及んだのは顎関節症が原因であり、顎関節症を改善させれば全身異常も改善するというメカニズムを私なりに論理的に考えていたし、また、安易に異常の現れた箇所の検査や治療を受けることは好ましくなく身体を痛めつけていくだけという考えがありましたので、医科には一切受診しませんでした。

体調悪化と准教授の医療行為との関連性について

体調悪化が激しくなったので、准教授に「現在の異常は、先生が片方の手の指を口の中に入れ、内側から外方向に強く引っ張り、他方の手の指を口内の奥に入れて大臼歯奥の筋肉を強く押したりしたことが原因です。」とはっきり言いました。

若い医師が下図と同じ模型を持ってきて、准教授に渡しました。

顎の構造

(注:この模型のセットは正しくありません。閉口時なのに下顎頭が関節隆起からはみ出しています。
顎関節が正常な場合、下顎頭は、閉口時に「A」の関節隆起の内部に納まり、開口するに従い下顎頭が上顎骨に沿って前方に動き、最大開口時には、「C」に位置します。)

准教授は、模型を見つめたまま首を傾げて何も言いませんので、私が質問しました。

「開口するとき、下顎はどのように動きますか。」
先生は、膝の上に置いた模型を首を傾げて見続けるばかりで何も答えませんでした。
答えを待っていても無言のままでしたので、続けて次の質問をしました。

「先生が行った片方の手の指を口の中に入れ、内側から外方向に強く引っ張ると、顎口腔周辺はどのようになりますか。」
やはり、先生は模型を見つめたままで、答えは全くありませんでした。

仕方なく私から、模型の下顎頭に指を当てて、A、B、Cの通過するところをなぞりながら、
「開口すると下顎頭はこのように動きます。
患者に大きな口を開けさせ、医師が口内に指を入れて強く外側方向に引っ張ると下顎は異常な方向に偏位し、筋肉は異常にねじれたり、伸長しますので、顎関節が正常な人でもたちまち顎関節症を発症し、閉口したときには下顎頭は「A」の関節隆起の内部に戻ることができません。
ましてや顎関節症を発症している患者の下顎は偏位していますので、そのような行為を行えば顎口腔周辺の異常は拡大、かつ、複雑になり、顎口腔周辺はもとより筋肉の異常は連鎖反応して全身に及びます。」と言いました。

准教授は、私がここまで言って初めて気がついたようで、納得したような表情になり「現在の異常は、医師の責任です。」と言いました。

この後の准教授の行動

次回診察日、准教授は開き直りの態度を示しました。
「裁判をしたければするがよい。今後診療記録は、口腔外科備え置きの今までのカルテには記載せず、医事課保存の診療報酬記録に記載します。診察しないと報酬が請求できないので、診察します。」と言って、口の中に指を入れて行う行為を除いた問診、触診、視診を行うようになりました。

後日わかったことですが、口腔外科備え置きのカルテは隣県の倉庫に隠されていました。

私はこの日を境に今まで止めていた口蓋の型を、再び使用し始めました。

口蓋に型の使用を再開した結果について

私が口蓋に型を当てることを再開した理由は、何かをしなければ体は悪化していくばかりであり、あまりにも複雑に偏位した顎口腔周辺の異常を改善させる方法がわからなかったため、とりあえず口蓋の偏位を少しでも改善させていけば顎口腔周辺の筋肉の改善に繋がるのではないかと淡い期待を持ってのことでした。
従って、准教授には使用し始めたことを話しませんでした。

使用し始めて数ヶ月経ったときのこと、准教授から「以前使用していた型を使用しているの」と聞かれました。
「はい」と答えると、先生は何か納得したような表情をしましたが、お互いそれ以上の会話はしませんでした。
准教授は、この時になって初めて口蓋の型の使用が、顎関節症改善の役割をしていたことに気づいたようでした。

私自身は、なかなか改善しない全身異常に苦しんでいた時でもあり、口蓋に当てた型の効果が以前のようにはっきりわかるような自覚もないときでしたが、先生の表情から口内には視診で明らかにわかるような改善が現れていると思い、その後もずっと継続して使用しました。

体全体の改善の過程は、ねじれの複雑さやしこり等の硬さもあって以前のようにスムーズな改善を体感することはなく、苦しくつらい症状に襲われることも度々ありましたが、その後も継続して自分なりに顎関節症の改善を行うと同時に体を極力動かさないように努めたりした結果、全身のねじれ改善とともに心臓を始めとして全身いたるところへの圧迫等も減少して、現在では意識することなく体を自由に動かしていますが、動作によっては異変を感じるものもあり、その場合は無理な動作は行わないようにしています。

顎関節異常による顎口腔周辺筋肉群への影響について

上図の模型から下顎骨の正常な位置関係は、十分に理解できると思います。
次に骨と筋肉の関連性について考えてみましょう。

下図は、顎口腔周辺の筋肉群を示したものです。(出典:「図説 関節の動きと筋力の診かた(著者:Hazel M. Clarkson・Gail B.Gikewieh)」)

顎関節と周辺の筋群の関係

医師が指を口の中に入れて外側に向かって強く引っ張ると、顎口腔周辺の筋肉群は異常なねじれ方をしたり、極限に突っ張ったりします。
医師が指の力の方向を変えるたびに下顎偏位は複雑になり、それに伴い筋肉群も複雑に変化します。
医師の指が口内から出されたときに筋肉群の全ては正常な状態に戻ることが出来ないばかりか、異常になった筋肉群の影響を受けた下顎は、医師が指を口内に入れる前の状態に戻ることはありません。

机の上に置いた輪ゴムの左端を押さえて、右端を外方向に強く引っ張ってから指を離すと輪ゴムは引っ張る以前の形には戻らず、歪んだ形になります。
引っ張った右端を少し緩めてから指を離しても、引っ張る以前の形には戻りません。

原理はこれと同じであり、伸縮する筋肉に指で人為的な力を加えると下顎骨は偏位し、顎口腔周辺の筋肉群は異常になり、さらにそれらは複雑に変化します。
顎関節は、開口すると左右共に不安定な状態になっているのですから、一方の顎関節周辺に異常な力を加えると他方の顎関節周辺にも悪影響が及ぶのは自然の成り行きです。

上図で頚部の筋肉が下顎骨に付着していることがわかりますが、全身は全て繋がっていますので、顎関節症を発症すると頚部を始として全身に異常が拡大していくことも十分に理解できると思います。

健康相談からわかる歯科医療の憂うべき実態

平成22年に放送されたラジオでの医療相談をもとに、歯科医師の治療診断の問題点を考察してみたいと思います。

27歳の女性について、その母親が相談した事例で、回答者は某歯科大学病院准教授です。

相談内容

  1. 虫歯は1本もない。
  2. 親知らずは3本生えているが、左下の1本に痛みがあり、画像診断の結果、歯根部の神経が斜めになっていてその神経は太いので歯を砕きながら1時間半ほど時間をかけて抜歯することになると言われた。
  3. 抜歯後は、後遺症としてしびれが出る場合があり、このしびれは様々で人によっては一生続く場合もあると言われた。
    しびれの他に顔にも異常が現れますか。
  4. 複数の医師から現在痛みの出ている親知らずは抜歯したほうが良いと言われているので抜歯する予定でいるが、痛みの出ていない他の2本の親知らずも抜歯しなければなりませんか。

医師の回答

  1. 後遺症は抜歯した後でないとわからない。
  2. 抜歯後下顎にしびれが残る場合があるので、どこの病院でも後遺症の可能性について説明し、同意を得てから抜歯を行っている。
  3. 歯が斜めになると手前の歯が虫歯になる可能性があるので、痛みの出ていない他の親知らずについても、痛みが出る前に抜歯したほうがよい。

検証:医療相談からわかる歯科医療の問題点

上記の医師の回答から、歯科医療の問題点を検証してみましょう。

  1. 虫歯が1本もない場合、昔であれば歯科受診することはまずありませんでした。
    近年、学校や職場で定期的に歯科検診が行われていたり、あるいは本来なら歯科受診する必要もないのに歯をきれいに見せる目的のために個人が自発的に歯科受診しているケースも多いようです。
    行政が、法人が、個人が、検診は病気の早期発見のために有意義と思い込んでいますが、医療界全体で体の構造やメカニズムに反する行為が公然と行われている医療があることを考えると、安易に検診を受けてはいけないと思います。
  2. 親知らずが3本生えていても今まで異常を感じなかった者が、虫歯でもないのに痛み等の異常が生じた場合は、歯の神経に障るような異常が何を原因として生じたのか、その根本原因を突き詰めていくことが肝要です。
    広範に原因を追究する姿勢が歯科医療界にはなく、痛み除去は神経が過敏に反応している歯を抜くことで解決と考え、抜歯後にしびれを発症する可能性のあることがわかっていながらその理由を全く考えずに、後遺症の可能性の事前同意を得たら医師の責任は回避できるというのは無責任医療に等しいといえましょう。
    このようなことが許されては、患者の苦痛、苦悩は増すばかりです。
  3. 歯科治療を過去に受けたことがなくても、一度でも歯科検診を受けて医師から口内に指を入れられたことがあれば、下顎偏位による顎関節症発症を疑うことは常道と思います。
    医師としては診察、診断にあたり、開閉口時の下顎頭の位置を確認することが不可欠になります。
  4. 神経は何のためにあるのでしょうか。
    体の異常を知らせるためにあると私は思います。
    神経は身体の異常を知らせる重要なサインを送るもので、異常の根本原因を考えずに痛みを発する神経を除去、あるいは不能にして患者の苦痛を解放することが適切な治療と考えるのは誤りです。
    治療後に後遺症が発症するのは、治療前の診断に誤りがあるからです。
    後遺症の発症は、患者が当然のように背負って苦しむものではなく、医師が責任を負うものと思います。
  5. 親知らずは顎関節に一番近い歯です。
    顎関節症を改善すれば顎口腔周辺の筋肉群の異常も改善し、自ずと親知らずの神経に異常を与えることもなくなるかもしれません。
    安易に抜歯することは、決して適切な治療法とはいえません。
  6. 抜歯手術で1時間半も、しかも親知らずの抜歯であることから最大開口を強いられることになり、下顎偏位は手術前よりも悪化し、しびれは広範囲に及ぶ可能性は大きく、しびれが一生続くことがあるというのも当然と思います。
  7. 痛みの生じていない親知らずについても抜歯を勧めていますが、親知らずが斜めになって痛みが出たり、隣接する歯が虫歯になったりする可能性が、多くの臨床例から予測できるという背景があるためと思います。
    下顎偏位が左右両方の歯に異常を発症させるメカニズムの解明をしないで、痛みの出ていない親知らずも遠からず異常になると予測されるので、その前に抜歯しておくという考えは、医原病を複雑にし、根治を不可能にするだけです。

幼い子供たちにも全身異常が生じているのはなぜか

ある日、私の前を3〜4歳のスカート姿の幼子が元気に走っていきました。
膝から下を見ると、右ひざの後はねじれており、左足のつま先は極端に右を向いていました。
今日、テレビに映る子供たちをみて感じることは、歯並びだけでなく体のあちこちに歪みが生じている子が多いように思います。

このようなことが起こっているのは、医原病の他に、出産以降様々な時期において行われる専門家の指導の内容にも問題があるのではないでしょうか。

元気にみえても幼児期に生じた身体の歪みが支障になって健全な成長が難しくなり、これが原因となって様々な病気を発症するかもしれません。
このような現象についてその原因を解明しようとしないで、常に患者の体に問題があるとする行政や医療界の責任は重いと思います。