1.医原病解明の必要性

顎関節症の発症原因は歯科医師による医療過誤が原因なので、顎関節症は医原病です。
顎関節が偏位するとそこを起点として四方八方へとなだれ込むようにして全身の細胞のメカニズムを乱していきます。顎関節症は万病のもとです。
自然科学の論理なき医療行為は新たな病気の発症を招き、病因の解明をしないままに病巣を治療する行為は種々の新たな医原病の発症につながり患者を苦しめていきます。

2.三権の法解釈の誤りによる違法行為を国民が指摘する必要性

実親子関係に重大な影響を及ぼす出生届出や衆議院解散等、三権(国の統治権の立法権、司法権および行政権)の誤った判断や恣意的な法解釈による違法行為は、法治国家を否定する行為です。
国民は憲法や法律の規定、法令用語の常識を根拠にその誤りを指摘して、国民の力で法治国家を守り秩序ある社会にしていきましょう。

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8-2.国政選挙の比例代表制は憲法違反

国会議員の選定権は憲法第15条により国民のみに与えられた権利です。

憲法第15条

公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である
 ② すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
 ③ 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
 ④ すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

検証1:衆議院議員総選挙の仕組み

1.小選挙区選と比例代表選の二つの制度を並立して実施しています

衆議院選は、小選挙区選(定数289)と全国を11ブロックに分けた比例代表選(同176)を並立して実施していますが、立候補する際に所属政党の許可が得られると、公職選挙法第86条の2の第4項により小選挙区選と比例代表選の両方に重複して立候補できます。
根拠規定は次の通りです。

公職選挙法第86条の2
1項から3項まで記載省略
4 第一項第一号又は第二号に該当する政党その他の政治団体は、第八十七条第一項の規定にかかわらず、当該衆議院(比例代表選出)議員の選挙と同時に行われる衆議院(小選挙区選出)議員の選挙における当該政党その他の政治団体の届出に係る当該衆議院(比例代表選出)議員の選挙区の区域内にある衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区における候補者(候補者となるべき者を含む。次項及び第六項において同じ。)を、当該衆議院(比例代表選出)議員の選挙において、当該政党その他の政治団体の届出に係る衆議院名簿の衆議院名簿登載者とすることができる。
以下記載省略

2.比例代表選における各党の当選者数の決め方

比例代表選はあらかじめ政党が決めた順位で候補者の名前が列記され、各党の獲得票数を「ドント方式」と呼ばれる計算方法で比例名簿の上位者から順に当選者を決定していきます。

3.「ドント方式」による議席配分の方法

ドント方式議席配分の方法

出典:「ドント方式」による議席配分の方法

4.重複立候補者の比例復活当選の仕組み

小選挙区で落選しても、有効投票総数の10%以上の票を得ていると、ドント方式により当選者に該当すると比例選で復活当選します。

比例選は、各党があらかじめ決めた比例名簿の順位上位者から当選していきますが、同一順位では、小選挙区で当選者にどれだけ迫ったかを示す「惜敗率」の高い候補から順に当選します。

重複立候補者の比例復活当選の仕組み

出典:重複立候補者の比例復活当選の事例

検証2:衆議院議員総選挙の比例代表制及び重複立候補制は憲法違反

比例選は政党が決めた順位で候補者の当選が決まっていくシステムで党利党略優先が如実に表れますが、これは国民の候補者個人の選定権を完全に排除していることになり憲法違反です。

比例名簿の順位には、各党の戦略が反映する。
例えば、自民党は今回(2017年10月)の衆院選で、東京ブロックの重複立候補者23人を1位に並べた。
同一順位で自党の候補を競わせ、票の掘り起こしを図る狙いがあるとみられる。
同党は東北や近畿ブロックなどでは、区割り変更のあおりを受けて小選挙区での出馬が困難になった前衆院議員を、比例単独候補として1位に据えた。重複立候補者は2位に並べた。

出典:比例選における自民党の戦略例

重複立候補制は一人の立候補者に2回当選の機会を与えることになり平等の原則違反です。小選挙区選で落選した結果が民意であって、それに逆らう復活当選は認められません。

憲法第98条及び第99条は次のように規定しています。

第98条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
② 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

国民が「非」を唱えても法律に規定してしまえば構わず実行できると考える国会議員ですが、民主国家であればそのような考えは通りません。
「憲法に反する法律や国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」と憲法は規定しています。

検証3:参議院議員通常選挙の仕組みと問題点

1.小選挙区選と比例代表選の二つの制度を並立して実施しています

参議院議員の定数

出典:参議院議員の定数

2.比例代表制は、「非拘束名簿式比例代表制」を採用しています

第18回通常選挙(平成10年(1998年))までは、あらかじめ政党の側で候補者の当選順位を決めておく「拘束名簿式比例代表制」方式でしたが、第19回通常選挙(平成13年(2001年))からは、名簿では当選順位は決められておらず、 有権者が候補者名または政党名のいずれかを記載して投票する「非拘束名簿式比例代表制」になりました。

3.「非拘束名簿式比例代表制」による当選人の決め方

「非拘束名簿式比例代表制」による当選者決定の方法

出典:「非拘束名簿式比例代表制」による当選人の決め方

非拘束名簿式比例代表制は、「候補者個人の得票総数+政党名の得票数」の合計数で各政党に当選人数が配分され、当選人の決定は候補者個人の得票数の多い順に決まっていきます。

「党名記載票」は政党の当選人の数を上乗せさせる効果になりますが、当選人が「各候補者名が記載された獲得数」で判定されるのは不合理です。

「非拘束名簿式比例代表制」の「党名記載票」は、国民固有の権利である「候補者選定権」を排除しているので憲法第15条違反です。

4.第25回通常選挙(令和元年(2019年))からは、比例代表制に新たに特定枠制度が導入されました。

1.特定枠導入のきっかけとなった理由

16年参院選で自民党は、鳥取、高知両県連が推した候補者を比例で擁立した。
鳥取県連の候補者が落選したため、党内で合区に対する不満が強まったんだ。
憲法改正による合区解消を訴えているけど、各党の賛同が得られないため、公職選挙法を改正して特定枠を設け、選挙区出馬を断念させた候補者を救済することにしたんだ。

出典:特定枠導入のきっかけとなった理由

憲法は前文で、「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」と宣言しています。

憲法は「人類普遍の原理」に基づく内容を規定するものなので、「合区解消」は国の最高法規である憲法に規定できるレベルに該当しません。
憲法に規定できる事項に制限がなく何でも規定できると考える自民党の感覚に唖然とします。

また、合区解消の方法を「特定枠」設定という国民の審判を受けないで参議院議員になれるとした手法を考えた国会議員にあきれ返ります。「特定枠」は憲法第15条違反です。

2.「合区」になった地域は選挙事務も下記のように煩雑になりました。

選挙区において二つ以上の地域を統合し、一つにまとめること。
国会議員などの選挙制度においては、これまで都道府県単位で分けられていた選挙区を、人口が少ない、隣接している都道府県を一つの選挙区として統合し、新たな一選挙区にすることをいう。
2013年(平成25)に行われた参議院議員選挙では、一票の格差が最大4.77倍に達し、2014年の最高裁判所の判決で「違憲状態」とされた。

こうした一票の格差を是正する目的で、2016年夏に行われる参議院議員選挙において、「鳥取と島根」、「徳島と高知」の各県選挙区で合区を実施する改正公職選挙法が、2015年7月に成立した。
参議院において都道府県単位の選挙区が改められるのは、1947年(昭和22)に参議院議員選挙が行われるようになってから、初めてのことである。

この改正により、2013年の選挙で各県2人であった定数を、「鳥取と島根」、「徳島と高知」それぞれを2県にまたがる合区とし、各選挙区は2人区となる。また、宮城、新潟、長野の各県で、それまでの定数4が2に減る一方、北海道、東京、愛知、兵庫、福岡の五つの都道県では、定数をそれぞれ2増やす措置がとられる。結果として参議院議員の定数は10増10減となり、一票の格差は最大2.97倍に抑えられることになる。

合区とされる4県では、選挙に関する事務などで変更が求められる。たとえば、選挙運動関連では、選挙事務所は2か所、選挙カーは2台、新聞広告は10回、無料で選挙区内を移動できる特殊乗車券の交付は30枚になるなど、それぞれ従来の2倍の割当てが必要とされることがあげられる。
また、2県で一つの選挙区を構成するため、それぞれの県の選挙管理委員会が共同で規約を定める必要がある。2016年の参議院議員選挙では、合区に合同選挙区選挙管理委員会を発足させて選挙長一人を選び、さらに、各県に設置される選挙管理委員会それぞれに選挙分会長を置くことになっている。

出典:日本大百科全書(ニッポニカ)「合区」の解説

3.「特定枠(優先的に当選人となるべき候補者)」についての公職選挙法改正は下記の通りです。

公職選挙法第八十六条の三
  参議院(比例代表選出)議員の選挙においては、次の各号のいずれかに該当する政党その他の政治団体は、当該政党その他の政治団体の名称(一の略称を含む。)及びその所属する者(当該政党その他の政治団体が推薦する者を含む。第九十八条第三項において同じ。)の氏名を記載した文書(以下「参議院名簿」という。)を選挙長に届け出ることにより、その参議院名簿に記載されている者(以下「参議院名簿登載者」という。)を当該選挙における候補者とすることができる。
この場合においては、候補者とする者のうちの一部の者について、優先的に当選人となるべき候補者として、その氏名及びそれらの者の間における当選人となるべき順位をその他の候補者とする者の氏名と区分してこの項の規定により届け出る文書に記載することができる。

4.2022年参議院選特定枠の届出数

自民は合区の対象となり、選挙区に候補者を出せなくなった鳥取と高知を地盤とする新人2人を特定枠とした。
れいわは重度の障害があり車いすを使用している候補者に、ごぼうは比例で擁立した11人中8人にそれぞれ充てた。

出典:2022年参議院選特定枠の届出数

5.自民党は2022年参議院選特定枠候補者に2割増の党員獲得のノルマを課しました

自民党は、夏の参院選比例選に「特定枠」で立候補する候補に、年内に党員1200人を獲得するノルマを課す方針を決めた。
他候補に優先して当選できる立場のため、ほかの議員の「年間1000人」より高いハードルを設けることで公平を期す狙いがある。

比例選では、各党の得票に応じて議席数が配分され、党の比例名簿に従って当選者が決まる。
特定枠の制度を採用した党の場合、まず特定枠の候補者が名簿順位に従って優先的に当選し、その他の候補は獲得した個人名票の多い順に当選する。

特定枠は自民党が主導した公職選挙法改正で、2019年参院選から導入された。
「徳島・高知」「鳥取・島根」の合区で選挙区から出馬できない候補者を救済する狙いがあった。

救済策とはいえ、特定枠に位置づけられた時点で事実上、当選が確実になることに党内では「不公平だ」との不満が根強い。
このため、党執行部は党員集めのノルマで「プラスアルファの努力」(世耕弘成参院幹事長)を求めることにした。

ノルマの大幅引き上げを求める意見もあったが、合区対象の県連にも「こちらは合区導入の被害者だ」との言い分があり、2割増で落ち着いた。

出典:自民、「特定枠」候補に2割増の党員獲得ノルマを課す

2022年自民党の特定枠候補者は、自民党員1200人を獲得するノルマ達成で国民の審判を受けることなく参議院議員になれることになりました。

6.顔と名前を伏せる比例特定枠の候補者

顔と名前を伏せる比例特定枠の候補者

出典:顔と名前を伏せる比例特定枠の候補者

7.特定枠候補者が選挙運動できない法的根拠。

特定枠に記載されている候補者は、参議院名簿登載者個人としての選挙運動(選挙事務所、自動車、ビラ、ポスター、個人演説会等)が行えないことを法律で規定しています。

(選挙事務所の設置及び届出)
第130条 選挙事務所は、次に掲げるものでなければ、設置することができない。
一 衆議院(小選挙区選出)議員の選挙にあつては、公職の候補者又はその推薦届出者(推薦届出者が数人あるときは、その代表者。以下この条、次条及び第139条において同じ。)及び候補者届出政党
二 衆議院(比例代表選出)議員の選挙にあつては、衆議院名簿届出政党等
三 参議院(比例代表選出)議員の選挙にあつては、参議院名簿届出政党等及び公職の候補者たる参議院名簿登載者第86条の3第1項後段の規定により優先的に当選人となるべき候補者としてその氏名及び当選人となるべき順位が参議院名簿に記載されている者を除く。)
以下記載省略

選挙運動に関する規定で特定枠候補者を除くと規定されている条文は上記の他に次の条文にも規定されています。

(飲食物の提供の禁止)第139条
(自動車、船舶及び拡声機の使用第141条
(文書図画の頒布)第142条一の二
(文書図画の頒布)第142条12項
(電子メールを利用する方法による文書図画の頒布)第142条の4
(文書図画の掲示)第143条
(公営施設使用の個人演説会等)第161条
(第161条規定中に次条から第164条の3までにおいて同じとの文言あり)
(公営施設以外の施設使用の個人演説会等)第161条の2
(個人演説会等における演説)第162条
(個人演説会等の開催の申出)第163条
(個人演説会の施設の無料使用)第164条
(個人演説会等の会場の掲示の特例)第164条の2
(他の演説会の禁止)第164条の3

立候補者全員は平等な権利と義務の上に主義主張の選挙運動を行って国民の選択を受けるのが本筋なのに、一部の立候補者について個人としての選挙運動を禁止する規定は違法です。
このような法改正を疑問も持たずに改正に賛成した国会議員に対し国民は厳しく対処していくことが肝要と思います。

  ま と め

1990年頃の各党は選挙制度改革について論戦を繰り広げていましたが、内容は突き詰めれば国民不在の党利党略を優先する主張でした。

当時の自民党内の選挙制度改革推進派の主張によると、大政党にとって中選挙区制は政策上の差異のない同一政党内の議員同士が最大のライバルとなる制度であるため、議員(特に与党議員)は地元への利益誘導により選挙の勝利を図ろうとする。
また一部の地元利益団体と繋がることによって多数派有権者の支持を得ずとも当選が可能となるシステムである。

小選挙区制を導入すれば同じ政党候補同士の争いは起きず、また投票者の半数近くの票を得なければ当選できないので、特定利権より広範な市民の利益が優先されるようになる。
更に、政権交代が容易になるため野党の利益にもかなった制度であると主張された。

ただし、当選者より落選者の方が少なくなることの多い中選挙区制から、選挙区から一人しか当選できない小選挙区制への移行には自民党議員の抵抗も予想され、また衆議院で議席ゼロとなる可能性もある公明党・日本共産党・民社党・社会民主連合は激しく抵抗し、共産党以外の野党と共闘関係にあった日本社会党もそれに同調すると思われたため、復活当選による救済の可能性と少数政党の一定の議席が見込める小選挙区比例代表並立制が自民党案の軸となる。

一方、社公民3党は、小選挙区制や並立制は自民党の一人勝ちをもたらすための党利党略であるとし、獲得票数と議席数の比例性が高い小選挙区比例代表併用制を対案として提案した。
また共産党は中選挙区制のまま、一票の格差解消のための抜本的な定数是正を行うことを主張した。

出典:各党が主張する選挙制度改革論

政治改革は紆余曲折を経て1994年1月29日細川首相と河野自民党総裁のトップ会談により小選挙区比例代表並立制導入で合意しました。

細川首相と河野総裁のトップ会談

出典:細川首相と河野総裁のトップ会談

細川護煕元首相と河野洋平元自民党総裁が「1994年1月の政治改革法に関する2人の合意」をテーマに2011年10月8日朝日新聞で対談し、両氏はその中で初めて「94年政治改革の失敗を認めた」そうです

田中秀征氏(元経済企画庁長官、福山大学客員教授)は、2011/10/13にDIAMOND onlineで次のように述べています。

細川・河野両氏がいま、現行選挙制度導入を悔いている理由

全国区比例250、小選挙区250とする政府提出の衆議院の選挙制度改革案は、93年11月に衆議院で可決されたものの、翌年1月に参議院で否決されて暗礁に乗り上げ、細川、河野(当時自民党総裁)両氏のトップ会談で自民党案を丸呑みして修正合意。ブロック比例200、小選挙区300の現行制度が決まった。

今回の対談で河野氏は、この制度が「政治劣化の一因」となったとし、率直に「忸怩たる思い」を述べた。
一方、細川氏も「小選挙区に偏り過ぎた」ことを悔いてこの制度の失敗を認めた。
河野氏の現行制度に対する評価は、既にメディアでも伝えられてきたが、細川氏がそれを公然と語るのは初めてだ。

現行制度をトップ会談で決めた2人の発言だけに格別の重みがある。
細川氏は10年以上前から私には、この制度が失敗だという認識を示してきた。ただ、この制度導入の最高責任者であるだけに失敗を認めることには大変な男気が要る。

公然と反省するのは政権交代の成果をみてからということだったのだろう。だが、せっかく実現した政権交代後の政治があまりに劣悪だったためについに発言する気になったのではないか。
この対談での2人の共通認識は、小選挙区制がそれほど良質な人材を生まなかったこと、少数の貴重な意見が排除される流れとなったことだろう。
しかし、現在の民主党や自民党の現行制度の改革論は、「議員定数の削減」を大義として比例区の大幅な削減という逆の方向に走ろうとしている。これでは今まで以上に政治の劣化を加速させることになってしまう。
政治家エゴ、政党エゴがここに極まったというべきだろう。

なぜ現行制度はかくも政治を劣化させたか、現職・既成政党優先主義が招いた弊害

私は、93年以前は、細川氏と同じように「中選挙区連記制」を支持していた。93年の細川政権樹立に際して、政府案となった前述の「小選挙区と全国比例代表の並立制」に妥協したのである。

それは、全国区比例250の中に少数政党の居場所を確保し、また有力な国家的視野を持つ人材の登場が期待できると信じたからであった。

出典:細川・河野両氏が現行選挙制度導入を悔いるについて

細川元首相と河野元自民党総裁は共に、「国会議員を選定することは国民固有の権利」と憲法に規定されていることを知らないで合意したことになります。
また、選挙制度の変革は国政を委ねる国民の国会議員選定権に重大な変化を与えることにもなります。
このような重大な事項を細川元首相と河野元自民党総裁の二人で合意し、そして土井衆議院議長、原参議院議長が合意内容を承知して、いとも簡単に法改正が成立した事実は由々しき事態です。

憲法

第15条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である
 ② すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
 ③ 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
 ④ すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

第98条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
② 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

公職選挙法に規定されている比例代表制は憲法に違反するので、比例代表制の名簿に登載された候補者は一人として当選人になりません。

「国会議員は憲法を尊重し擁護する義務を負う」という憲法の条規が国会議員に欠如しているため、無効な法律が規定されていく現状を国民は看過してはいけません。