1.医原病解明の必要性

顎関節症の発症原因は歯科医師による医療過誤が原因なので、顎関節症は医原病です。
顎関節が偏位するとそこを起点として四方八方へとなだれ込むようにして全身の細胞のメカニズムを乱していきます。顎関節症は万病のもとです。
自然科学の論理なき医療行為は新たな病気の発症を招き、病因の解明をしないままに病巣を治療する行為は種々の新たな医原病の発症につながり患者を苦しめていきます。

2.三権の法解釈の誤りによる違法行為を国民が指摘する必要性

実親子関係に重大な影響を及ぼす出生届出や衆議院解散等、三権(国の統治権の立法権、司法権および行政権)の誤った判断や恣意的な法解釈による違法行為は、法治国家を否定する行為です。
国民は憲法や法律の規定、法令用語の常識を根拠にその誤りを指摘して、国民の力で法治国家を守り秩序ある社会にしていきましょう。

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10.健康のバロメーターになる細胞の形状と隣接細胞との接近度

細胞の構造

細胞は、「核、細胞質、細胞膜」で構成されています。
核と細胞質は、細胞膜によって細胞外環境から守られています。
核はさらに核膜で保護されています。
下記は、「細胞膜のしくみ(八幡義人著)」に掲載の細胞の概念図とリンパ球の透過型電子顕微鏡写真です。
細胞の構造を正確に確認しておきましょう。

細胞の概念図 リンパ球の透過型電子顕微鏡写真

なお、ネット上で検索した細胞の模式図を見ると、細胞に占める核の割合は小さいですが、実際はどうなのでしょう。
You Tube 「美しき細胞の世界(静岡県立大学環境科学研究所 光環境生命科学研究室)」の動画も参考になります。

次に重要なことは、隣接する細胞同士の間隔です。

細胞膜の構造

透過型電子顕微鏡写真で撮影した、接している2つの細胞の細胞膜である。2枚の細胞膜の断面をよく見ると、電子密度が高い(黒い)二枚の膜が白い部分をはさんでいるのが見える
単細胞生物を除いて、細胞は孤立して存在することはない。お隣同士仲よく接して組織を作り上げている。たとえば上皮細胞なら、ふつうは上皮組織の中で周囲と協調しつつ、上皮組織の一員としての働きをしている。

出典:細胞膜の構造

以上のことを踏まえると、セロテープのようなものを皮膚の表面に押し付けて採取した印影を染色して顕微鏡で見た場合、正常なときは細胞全体の形は写っているが核は写らない、隣接する細胞同士は遠く離れていないと一般の者は考えます。

テープに核が写らないのは、細胞が死んでいることなの???

平成22年12月1日放送NHK「ためしてガッテン」では、23歳、40歳(毎日化粧、パック等を行い、就寝中もパックをしている)、89歳(化粧を全くしていない)の三人の女性の顔の素肌にセロテープのようなものを押し付けて表面の印影を採取し、比較していました。

放送された内容は、89歳は核が写っていないので細胞は死んでいる。しかし、保湿量は89歳が一番富んでいるので肌のうるうる状態が一番良い。従って肌はちゃんと死んでいることが大事という結論でした。理解しがたい話だとは思いませんか。

放送された映像と説明の要点は次の通りです。

1.テープで皮膚の表面細胞の印影を採取

  細胞の印影採取

2.テープについた印影

テープ面

3.核の有無の細胞比較 ( 黒い点は、核なのでしょうか、細胞に占める黒い点の割合から冒頭に示した細胞の構造の図を参照すると核小体なのではと思いますが、皆さんはどのように捉えますか。)

核の有無

4.89歳の細胞に黒い点(核)が見えないから、細胞は死んでいる。

89歳の細胞

5.23歳の細胞には黒い点(核)が見える(上図は指でさしています。下図は核を矢印で示しています。)

23歳の細胞 23歳の細胞と核

6.40歳の細胞にも黒い点(核)が見える。

40歳の細胞

7.1歳2か月の赤ちゃんには核がなく、細胞が死んでいる。

赤ちゃんの細胞

8.水分量と蒸散量(肌が逃がしてしまう水分の量で少ないほど良い)の結果は、次の通りでした。

年齢 23歳 40歳 89歳
水分量 67.7(2位) 60.4(3位) 90.3(1位)
蒸散量(g/h㎡) 19.2(2位) 37.8(3位) 12.4(1位)

検証1:上記の判断は正しいのでしょうか?

皆さんは上記放送の説明を納得できますか。私は次のように考えました。

  1. 細胞の損傷が激しいときや細胞分裂して死滅していく場合を除いて、核のない細胞などあり得ません。
  2. 健全な細胞は、細胞膜で核を保護しているので、テープに核が印影されると考えること自体おかしいと思います。
  3. 黒い点、核か核小体なのかわかりませんが、これが写っているということは少なくとも細胞膜が損傷を受けて失われてしまったものと考えます。また、黒い点が核小体であるとするなら、核膜も損傷していることになります。
  4. 細胞膜や核膜が損傷すると、細胞の機能は相当失われます。
  5. 黒い点のない細胞は、細胞と細胞が整然と接していますが、黒い点のある細胞は重なり合ったり、形が不揃いであったり、隣同士が広く離れています。
  6. 細胞の形状や隣接する細胞の位置関係は、健康状態を把握する重要な指標になります。
    何が原因でその場所に細胞の異常が生じたかを考えることが重要で、その原因除去が細胞の形状を復元させ、活動の回復をもたらします。

人体の水分量の構成比について

SUNTORY提供のWebページには、人体の水分量の構成比について次のように述べています。

「人間の体は、胎児で体重の約90パーセント、新生児で約75パーセント、子どもで約70パーセント、成人では約60~65パーセント、老人では50~55パーセントが水で満たされています。

体内の水は、大きく細胞内液と細胞外液に分けられ、細胞内に存在する細胞内液は、体内水分の約3分の2を占めています。

一方、残りの3分の1である細胞外液は、体内を循環する血液とリンパ液、細胞と細胞の間に存在する細胞間液に分けられます。

血液は、体の隅々まで酸素、栄養、ホルモンなどを運ぶ重要な役割を担っていると同時に、老廃物や過剰な物質を運び出し、体外に排泄するという大切な働きをしています。

その血液の半分以上は血漿(けっしょう)という液体です。
そして、血漿のほとんどが水でできています(血漿の水分は91パーセント)。
血漿にはナトリウムイオン、塩化物イオン、タンパク質などさまざまな成分が溶けていて、体に必要な栄養や酸素は、この水分にのせて運ばれているのです。」

出典:水大事典

細胞の形状、隣接する細胞同士の位置関係の他に細胞内液の水分量も健康のバロメーターになることがわかります。
すなわち、細胞膜が損傷していないことが重要です。

上記40歳女性が化粧を改めたら、肌の改善が顕著であった

毎日パック等いろいろ行っていた肌の手入れを改め、泡洗顔と保湿クリームだけにして13日後に水分量を検査をしたところ、好結果になった。

肌の手入れ 変更前 変更後
肌の水分量 60.4 74.0
水分蒸散量(g/h㎡) 37.8 18.7
改善した肌

細胞も肌の手入れ変更前は、重なりあっていたり、不揃いが多かったが、変更後は一つ一つの細胞が鮮明な個の形になっていて、明らかに肌の健康状態が良くなっていることがわかります。
細胞膜も修復されて細胞内液が増し、それが水分量の改善につながったと思います。

大学病院における実験

「ためしてガッテン」では、東北大学の医師が行った保湿クリームを利用した場合の実験結果も示しました。

実験は、19歳から37歳までの女性16人の肌に上記と同じ方法でテープにより細胞の状態を調べたところ、実験前には全員からちゃんと死んでいない未熟な細胞が検出されたという。

次の図は実験前にテープで採取した肌の表面 ( 赤は正常な細胞、緑はちゃんと死んでいない未熟な細胞という説明でした。)

実験前の細胞

顔の片側だけ朝晩1日2回保湿クリームをやさしくつけることを3週間続けたところ、保湿クリームをつけた片側は、未熟な細胞が消えていたという。

実験後の細胞比較

肌の水分量の検査結果は、保湿クリームをつけない肌の方はあまり変わっていないが、保湿クリームをつけた肌は3倍に増加していたという。
これについて、細胞は核が消えて細胞自身が保湿成分を出してくれるようになったという説明でした。

水分量比較

検証2:この保湿クリームは細胞に被害を与えている

皆さんは上記検査結果に対する結論をどのように思いますか?

私は次の点に疑問を感じました。

  1. 大学病院が行った実験ということは、皮膚疾患で受診した患者が対象になっていたのでしょうか。
  2. 実験前の細胞の状態は決して良いとはいえません。細胞の形状や隣接細胞の接近度の状態は悪く、水分量も50と非常に少なく、肌は荒れた状態であったと思います。
  3. 保湿クリームをつけた片側は、細胞がほとんど失われてしまった状態を示していると思います。
  4. 細胞の状態の良い89歳の女性の水分量が、90.3であることを考えると、細胞が少ないにもかかわらず保湿クリーム塗布後の水分量が150というのは異常な量と考えられ、水ぶくれになっていることを示しているのではないでしょうか。
  5. 使われた保湿クリームは化粧品売り場に売られているものではなく、医薬品に属するものを投与したのでしょうか。

医療は科学に基づいて判断することが重要です

大学病院で行われた検査と医師の判断は、医療の問題点を顕著に示していると思います。

第一の問題点は、人体は「科学」に基づいて考えることが最重要であるにもかかわらず、細胞の構造やメカニズムに関する認識及び判断に問題があると思います。

第二の問題点は、「科学」のなかに「化学」が含まれますが、それは自然の化学物質でなければなりません。
すなわち、細胞内液と細胞間液が満たされていて、細胞自体が生成し分泌する化学物質でなければなりません。それには細胞が正常に機能できる状態にあることです。

ところが、医療は、医薬品、すなわち「人工化学物質」を用いてその結果で良否の判断をし、数値の向上を重視しています。
人工化学物質は自然化学物質とは似て非なるものであることを充分に認識できていれば、数値の向上のみで改善したと判断することがいかに危険であるかも認識できるはずです。

放送は保湿クリームの効用を評価し、水分量が150になったことを「細胞は核が消えて細胞自身が保湿成分を出してくれるようになった」という説明をしましたが、細胞の画像は人工化学物質の使用により被害が拡大したことを示しています。

医師は人体の科学変化、すなわち細胞の状態や個数の変化の重大さの認識が不十分で、人工化学物質の使用により目的とした水分量の数値が大きく変化したことをもってあたかも治療が好結果になっていると判断しています。

このように自然科学の観点からの論理が不十分なところに、人工化学物質による変化の結果を重視する医療体質が、新たな病気を発症させ、その積み重ねで患者の苦しみが増しているのが現状です。
医原病に医原病が積み重なって身体はどんどん蝕まれていき、患者は様々な苦痛に日々襲われています。

病院で行われる治療について、同じ治療を受けた患者同士、あるいは治療を受ける前に他の患者から直に治療結果を聞く等の情報交換がないのも問題で、患者は治療の是非の判断や身体の異常の拡大に一人で悩んでいるのが実情です。

同じ医療機関、あるいは同じ医師の治療を受けている患者同士が情報交換して多くの情報を得れば、患者が医師の提供する医療を拒否することもでき、それが被害拡大を未然に防止する効果にもなります。

私が大学病院口腔外科で顎関節症治療を受けていたときの体験事例を二つ示します。
患者同士に情報交換がないことや医師の診断の問題点が被害の拡大を招いていることがわかると思います。

体験事例1

顎関節症治療を受け始めて相当経過した時期のことです。その日の治療を終えた後に先生から唐突に投薬すると言われました。薬の内容についての説明はありませんでした。
私は安易に薬は服用すべきでない、また、顎関節症は歯科医療過誤によるもので発症原因が明らかであり、それは薬で治る疾病ではないという考えがありましたので、「薬は服用しませんので、出さなくて結構です。」と言いましたところ、先生はどうしても投薬したい様子で、投薬するが服用するかしないかは患者の自由ですとおっしゃり、投薬の伝票が出されました。
薬は受け取りましたが、服用しませんでした。

同時期、治療の途中で私の担当医が離れたとき、隣から少し険悪な様子の会話が耳に入りました。
医師は、「薬で症状が軽くなったのだから良いことではないか」とおっしゃり、患者は若い女性でしたが、少し怒ったような口調で「薬で症状が軽くなったからといって根本的な治療をしたことにはならない」という同じ会話を数回繰り返し合っていました。

私は自分に出された薬が、筋弛緩剤か精神安定剤のような類のものかもしれないと投薬時に思いましたが、この会話を聞いて、医局で顎関節症患者に同じ薬の投与を行い、その結果を調べて症状が緩和した場合に、顎関節症治療の一つとして多くの患者に行う予定であったのではないかと推察しました。

薬が筋弛緩剤であったとするなら、顎関節の偏位で筋肉に異常が生じて苦痛を感じていた患者は一時その症状が和らぐかもしれませんが、その後には取り返しのつかない新たな異常が発生し、顎関節の偏位は複雑な方向に拡大します。

体験事例2

私は担当医からある治療を受けることを診察のたびに勧められました。
私は、その治療は顎関節症治療としては危険と考え、断り続けました。
その治療は口腔外科医が行う治療ではなく、特別な資格をもっている医師が行う治療のようで、治療日も決まっているようでした。先生はその専門医の著書を私に見せるなどして、その治療を何としても受けさせたい様子でした。

ある日、私の治療が昼休みにまで及んだときに担当医が私から離れたときのことでした。
私が何気なく周りを見回したとき、全ての椅子が倒され、目を閉じた患者が皆、仰向けに横たわっていました。
単に目を閉じているのか、眠っているのかわかりませんでしたが、私の斜め前の若い男性が突然に両手、両足を「く」の字に曲げるほどの激しいけいれんをし、頭部も少し持ち上がりましたが、すぐに頭部、手足をまっすぐに伸ばした状態に戻りました。一瞬の出来事でした。
男性はけいれん時やけいれん後に目を開けることはなく、明らかに睡眠中の出来事のようでした。

専門医は急いでカメラを取り、撮影していました。専門医からは患者に取り返しのつかない異常事態が生じたと考えたような様子は窺えませんでした。

私は次回診察日に、担当医にその治療を受けた患者は、体に異常を訴えていませんかと聞きました。
先生は、最初は異常を訴えるけれどもその後何も感じなくなったと言いますとおっしゃいました。
その次の診察日に先生から、その治療はしないほうがいいかもしれませんとおっしゃり、これを境にその治療の話はしなくなりました

問題点のまとめ

このような医療のあり方は、今日あらゆる医療にみられます。
医師は病気の根本的原因を解明しようとしないで、やみくもに根拠なき処置を行い、患者が訴える症状軽減をあたかも適切な治療法と考え、多くの患者に同じ治療を繰り返しています。そのため患者は医原病を複数抱えることになります。

また、このような医療行為が公然と是認されている現状は、医療費支払い者に無駄な支払いを強要し、その者の財政を圧迫させ、さらに患者やその家族、介護に携わる人々の心身も過酷な状況に追い込んでいきます。

自然科学の論理なき症状の軽減処置は、新たな病気の発症の始まりになります。それが医原病です。
このようにして人々は医原病を次から次へと抱えていくことになります。