1.医原病解明の必要性

顎関節症の発症原因は歯科医師による医療過誤が原因なので、顎関節症は医原病です。
顎関節が偏位するとそこを起点として四方八方へとなだれ込むようにして全身の細胞のメカニズムを乱していきます。顎関節症は万病のもとです。
自然科学の論理なき医療行為は新たな病気の発症を招き、病因の解明をしないままに病巣を治療する行為は種々の新たな医原病の発症につながり患者を苦しめていきます。

2.三権の法解釈の誤りによる違法行為を国民が指摘する必要性

実親子関係に重大な影響を及ぼす出生届出や衆議院解散等、三権(国の統治権の立法権、司法権および行政権)の誤った判断や恣意的な法解釈による違法行為は、法治国家を否定する行為です。
国民は憲法や法律の規定、法令用語の常識を根拠にその誤りを指摘して、国民の力で法治国家を守り秩序ある社会にしていきましょう。

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8-4.内閣総理大臣や内閣に衆議院解散権はありません

法規を正しく解釈するには、関連する複数の条文、用語の意味及び文章の内容を正確に理解することが重要です。

立法府に携わる国会議員が法規、特に日本国憲法を正確に解釈できずに「衆議院解散は総理大臣の専権事項」と言い、その理由として憲法第7条3号の「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
3号衆議院を解散すること。」を挙げています。

憲法第7条3号の規定のみで衆議院解散が行えると判断するのは、思慮浅薄です。

高市早苗総理大臣は記者会見で衆議院解散を公言しました。
冒頭で理由を次のように述べています。

記者会見全文 2026年1月19日記者会見全文

記者会見全文中で高市総理大臣が、衆議院解散を決断したご自身の気持ちを述べた部分は以下の通りです。

国民の皆様、私は、本日、内閣総理大臣として、1月23日に、衆議院を解散する決断をいたしました。

なぜ、今なのか。 高市早苗が、内閣総理大臣で良いのかどうか、今、主権者たる国民の皆様に決めていただく、それしかない。そのように考えたからでございます。

「日本列島を、強く豊かに。」今、着手しなければ、間に合いません。

そのために、高市内閣が取り組み始めたのは、全く新しい経済・財政政策を始め、国の根幹に関わる重要政策の大転換です。

私が、自民党総裁選挙や、そして、日本維新の会との連立政権合意書に書かれた政策など、大きな政策転換は、今年の国会で審議される令和8年度予算や、政府提出法案の形で本格化します。 その多くが、前回の衆議院選挙では、自民党の政権公約には書かれていなかった政策です。

また、前回の衆議院選挙の時には、私、高市早苗が日本の国家経営を担う可能性すら想定されていませんでした。 解散というのは、重い重い決断です。 逃げないため、先送りしないため、そして、国民の皆様と御一緒に日本の針路を決めるための決断です。

私自身も、内閣総理大臣としての進退をかけます。 高市早苗に、国家経営を託していただけるのか。国民の皆様に直接、御判断を頂きたい。

日本は、議院内閣制の国ですから、国民の皆様が直接、内閣総理大臣を選ぶことはできません。 しかし、衆議院選挙は政権選択選挙と呼ばれます。 自民党と日本維新の会で過半数の議席を賜(たまわ)れましたら、高市総理。 そうでなければ、野田総理か、斉藤総理か、別の方か。 間接的ですが、国民の皆様に内閣総理大臣を選んでいただくことにもなります。

今、衆議院でも、参議院でも、過半数の議席を持たない自民党の総裁が、内閣総理大臣を務めている。また、前回の衆議院選挙では、自民党・公明党の連立政権を前提に、国民の皆様の審判を仰ぎました。 今や、連立政権の枠組みも変わりました。 だからこそ、政治の側の都合ではなく、国民の皆様の意思に、正面から問いかける道を選びました。

私は、3回目の挑戦で、昨年10月4日に、自民党総裁に就任しました。 その直後に、26年間も連立パートナーだった公明党との突然の別れ。 自民党総裁にはなったものの、衆議院でも、参議院でも、自民党が過半数の議席を得られていない中での、国会での首班指名選挙に臨むことになりました。 内閣総理大臣に就任するための道は、険しいものでした。 新たに連立パートナーとなった日本維新の会の皆様を始め、衆参両院で、他の会派の皆様のお力添えも頂いて、薄氷を踏む思いで、何とか首班指名選挙では勝利し、昨年10月21日に、内閣総理大臣に就任しました。

この日から、高市内閣が政権選択選挙の洗礼を受けていないということを、ずっと、気にかけてまいりました。

検証1:国 事(こくじ)の意味

国  事

1.国家に直接、関係する事柄。特に政治に関係する事柄。
・もはやしばらく京都の方に滞在して国事に奔走し平田派の宣伝に努めている友人の景蔵は、半蔵から見れば兄のような人だった。(島崎藤村『夜明け前』)

2.(法律)国家に関する事項で、決定がすでになされ 儀礼的・形式的となっているもの。
・派生語:国事行為
・天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。(日本国憲法第4条)

出典:国事

「天皇の国事行為」に関連する憲法の規定は次のとおりです。

第三条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。
第四条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
② 記載省略
第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。 五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。

検証2:憲法第7条各号の国事が、事前にどこでどのように決定されていなければならないか確認していきましょう

1.1号規定の「憲法改正」について

憲  法
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
② 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

2.1号規定の「法律」について

憲法第41条
 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

3.1号規定の「政令」、「条約」、6号規定の「大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権」、8号規定の「批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること」について

憲  法
第73条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること
二 外交関係を処理すること。
三 条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
四 法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。 五 予算を作成して国会に提出すること。
六 この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
七 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

批准(ひじゅん、英: ratification)とは条約に拘束されることへの国家の同意。
通常は議会の同意を得て元首等が裁可あるいは認証、公布等を行うことにより国内において成立し、多国間条約においては国際機関等の寄託者に批准書を寄託すること等により、また、二国間条約においては締約国間で批准書を交換すること等により、確定する。
日本では内閣が批准し、天皇が認証し、国会の承認は必ずしも事前でなくともよい(憲法第73条3号)

出典:ウィキペディア

4.2号規定の「国会を召集すること」について

憲  法
第52条 国会の常会は、毎年一回これを召集する。
第53条 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

国 会 法
第1条 国会の召集詔書は、集会の期日を定めて、これを公布する。
常会の召集詔書は、少なくとも10日前にこれを公布しなければならない。
臨時会及び特別会(日本国憲法第54条により召集された国会をいう)の召集詔書の公布は、前項によることを要しない。

第2条 常会は、毎年1月中に召集するのを常例とする。
第2条の2 特別会は、常会と併せてこれを召集することができる。
第2条の3 衆議院議員の任期満了による総選挙が行われたときは、その任期が始まる日から30日以内に臨時会を召集しなければならない。但し、その期間内に常会が召集された場合又はその期間が参議院議員の通常選挙を行うべき期間にかかる場合は、この限りでない。
参議院議員の通常選挙が行われたときは、その任期が始まる日から30日以内に臨時会を召集しなければならない。但し、その期間内に常会若しくは特別会が召集された場合又はその期間が衆議院議員の任期満了による総選挙を行うべき期間にかかる場合は、この限りでない。

第3条 臨時会の召集の決定を要求するには、いずれかの議院の総議員の4分の1上の議員が連名で、議長を経由して内閣に要求書を提出しなければならない。

国会の召集は天皇の国事行為であるが(日本国憲法第7条第2号)、臨時会(日本国憲法第53条)とは異なり、常会については実質的決定権に関する明文の規定は憲法にはない。一般には内閣に存するものと解されている。
召集するためには、少なくとも10日前に召集詔書を公布しなければならない(国会法第1条第1項)。1991年9月の国会法改正前は「少くとも20日前」であった。

出典:常会

私の個人的意見ですが、国会法第2条に「常会は毎年1月中に召集するのを常例とし、内閣が召集日を決定する。」と明記するのが良いと思います。

5.4号規定の「国会議員の総選挙の施行を公示すること。」について

公職選挙法
(総選挙)
第31条 衆議院議員の任期満了に因る総選挙は、議員の任期が終る日の前30日以内に行う。
2 前項の規定により総選挙を行うべき期間が国会開会中又は国会閉会の日から23日以内にかかる場合においては、その総選挙は、国会閉会の日から24日以後30日以内に行う。
3 衆議院の解散に因る衆議院議員の総選挙は、解散の日から40日以内に行う。
4 総選挙の期日は、少なくとも12日前に公示しなければならない。
5 衆議院議員の任期満了に因る総選挙の期日の公示がなされた後その期日前に衆議院が解散されたときは、任期満了に因る総選挙の公示は、その効力を失う。

(通常選挙)
第32条 参議院議員の通常選挙は、議員の任期が終る日の前30日以内に行う。
2 前項の規定により通常選挙を行うべき期間が参議院開会中又は参議院閉会の日から23日以内にかかる場合においては、通常選挙は、参議院閉会の日から24日以後30日以内に行う。
3 通常選挙の期日は、少なくとも17日前に公示しなければならない。

憲  法

第72条 内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。

第73条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
二 外交関係を処理すること。
三 条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
四 法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。
五 予算を作成して国会に提出すること。
六 この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
七 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

第72条内閣総理大臣の権能及び第73条内閣の権限のいずれの規定にも「国会議員の総選挙の施行」を決定する権限が規定されてないので、憲法第7条4号の「国会議員の総選挙の施行」を決めるのは、公職選挙法に規定されている機関だと思います。

6.5号規定の「国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること」について

5号は「及び」と「並びに」が複数含まれています。
法律ではこの単語の違いを理解しておく必要があります。

併合的接続が二段階になる場合は、まずAとBをつなぎ、それからA・BグループとCをつなぐという場合は、「及び」「並びに」を使うことになります。
その使い方は、小さいほうの接続に「及び」を使い、大きいほうの接続に「並びに」を使います。

出典「法令用語の常識、林修三」

以上から5号規定は、「国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免」と「全権委任状及び大使及び公使」の二つに分けて考えることになります。

まずは国務大臣については下記の通りですが、法律の定めるその他の官吏の任免について多数に及びますので記載を省略します。

憲  法
第68条 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
2 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。

「全権委任状及び大使及び公使の信任状」ついては下記の通りです。

外務公務員法
(外務公務員の定義)
第2条 この法律において「外務公務員」とは、左に掲げる者をいう。
一 特命全権大使(以下「大使」という。)
二 特命全権公使(以下「公使」という。)
三 特派大使
四 政府代表
五 全権委員
六 政府代表又は全権委員の代理並びに特派大使、政府代表又は全権委員の顧問及び随員
七 外務職員
2項及び 3項記載省略
4 この法律において「全権委員」とは、日本国政府を代表して、特定の目的をもつて外国政府と交渉し、又は国際会議に参加し、且つ、条約に署名調印する権限を付与された者をいう。
5項記載省略

(特別職の外務公務員の任免等)
第8条 大使及び公使の任免は、外務大臣の申出により内閣が行い、天皇がこれを認証する。
2 外務大臣は、大使及び公使に在外公館の長を命ずる場合又は在外公館の長たる大使及び公使に在外公館の長であることを免ずる場合には、政令で定めるところにより、あらかじめ内閣総理大臣及び内閣官房長官に協議した上で、当該協議に基づいて行うものとする。
3 内閣総理大臣又は内閣官房長官は、大使及び公使について適切な人事管理を確保するために必要があると認めるときは、外務大臣に対し、大使及び公使に在外公館の長を命ずること並びに在外公館の長たる大使及び公使に在外公館の長であることを免ずることについて協議を求めることができる。この場合において、協議が調つたときは、外務大臣は、当該協議に基づいて在外公館の長を命じ、又は在外公館の長であることを免ずるものとする。
4 第2条第1項第3号から第6までに掲げる外務公務員の任免は、外務大臣の申出により内閣が行う。
5 前項の外務公務員については、国会議員のうちから、任命することができる。
6 前二項の外務公務員は、その任務を終了したときは、解任されるものとする。

(信任状等の認証)
第9条 大使及び公使の信任状及び解任状、外国における重要な儀式への参列に際し特派大使に携行させる信任状、全権委任状並びに領事官の委任状は、天皇がこれを認証する。

7.7号規定の「栄典を授与すること」について

候補者は、栄典に関する有識者の意見を聴取して内閣総理大臣が決定した「春秋叙勲候補者推薦要綱」に基づき、各省各庁の長から推薦されます。内閣府賞勲局は、推薦された候補者について審査を行い、原案を取りまとめます。その後、閣議に諮り、受章者が決定されます。

出典:内閣府:日本の勲章・褒章 勲章・褒章制度の概要 勲章・褒章制度の概要国事

8.9号規定の「外国の大使及び公使を接受すること」について

「接受」とは、文字通り「接して受ける」あるいは「直接受け取る」という意味の言葉です。
一般的に使われているものでは無く、特に「外交文書や外交使節」などを受け入れる時に使われます。

出典:違い比較辞典

外国の領事官に交付する認可状の認証に関する法律(昭和27年6月12日法律第182号)
本法施行後は、本法及び外務省設置法の規定に基づき、外務省において、認可状の交付事務が行われている。本法に規定する認証は国事行為であるため、外務大臣から内閣総理大臣へ閣議請議を行い、内閣の閣議決定の上で実施されている

出典:ウィキペディア

9.10号規定の「儀式を行うこと」について

憲法第73条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。

検証3:憲法第7条3号「衆議院を解散すること」の規定が、総理大臣に衆議院解散権を与えているのではないことを確認していきましょう

天皇の国事行為については「3号衆議院を解散すること」を除いた全ての事項から、法の定めに従って決定された後に「内閣が助言と承認をして」「国事行為」が行われていることがわかったと思います。

「衆議院解散」も同様で憲法第7条の他に「衆議院解散」に関する規定がどこにあるかを見つけなければいけません。

憲法
第69条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

第69条を「主語」「修飾部」「述語」に分解すると次のようになります。

憲法第69条 憲法第69条

憲法第7条3号のみで衆議院解散が行えると考える思慮浅薄な人は、修飾部の解釈ができない人と言えます。

検証4:「大日本帝国憲法」時代の衆議院解散の天皇詔勅を見てみましょう

大日本帝国憲法
第7条 天皇ハ帝国議会ヲ召集シ其ノ開会閉会停会及衆議院ノ解散ヲ命ス

第55条 国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス
2 凡テ法律勅令其ノ他国務ニ関ル詔勅ハ国務大臣ノ副署ヲ要ス

出典:大日本帝国憲法
大日本帝国憲法時代の衆議院解散詔書

出典:大日本帝国憲法時代の衆議院解散詔書

詔勅には、「朕」すなわち「天皇は帝国憲法第7条に依り衆議院の解散を命ず」と憲法の規定に則った内容になっています。

国務大臣は大日本帝国憲法第55条により、天皇の御名御璽の後に副署しています。

勅書は、憲法の規定に従った順序になっていることがわかります。

検証5:日本国憲法施行以降の衆議院の解散は全て法規違反です

憲法第69条規定の一部が含まれている解散詔書

吉田茂による衆議院解散詔書 出典:衆議院解散詔書

上記解散詔書には、次のように記載されています。

「衆議院において内閣不信任の決議案を可決した。よって内閣の助言と承認により日本国憲法第69条及び第7条により衆議院を解散する」

この文章からわかることは、「内閣不信任の決議案を可決」はありましたが、「衆議院解散」の決議はされていないことがわかります。
また、「第7条」の文言は不要です。

第69条により解散決議があったときには、「衆議院において内閣不信任の決議案が〇年〇月〇日に可決、△年△月△日に衆議院解散決議が可決した。」になると思います。

そして、吉田内閣全員の氏名を記載したうえで天皇の御名御璽を受けることになると思います。

日本国憲法第7条のみで衆議院解散が行えると考えた総理大臣の解散詔書

衆議院解散の詔書 衆議院解散詔書

この解散詔書を見て皆さんはおかしいと思いませんか。
御名御璽の次に内閣総理大臣の氏名の記載があり、内閣全員の氏名がありません。

これでは天皇が衆議院解散を決め、安倍晋三内閣総理大臣が詔勅を受けて国民に知らせたということになるのではありませんか。

検証6:2018年に衆議院解散の憲法解釈について質疑がありました

平成三十年四月二十七日提出
質問第二五六号
日本国憲法第七条による衆議院解散に関する質問主意書
提出者  奥野総一郎

日本国憲法第七条による衆議院解散に関する質問主意書

 

一九四八年に行われた第一回解散は、野党提出の内閣不信任案の可決をまって解散が行われた(いわゆる「なれあい解散」)。
その際の解散詔書は「衆議院に於て内閣不信任案を可決した。因って日本国憲法第六十九条及び第七条により、衆議院を解散する」となっていた。
第二回解散は、現行同様、不信任案の可決をまたず第七条のみにより行われた。
以降、第六十九条による解散も含め、解散詔書は「日本国憲法第七条により、衆議院を解散する」という文言が用いられている。
  そこで、以下質問する。

一 第一回解散においては、「第六十九条及び第七条」を根拠としてのみ解散を行うことができるとの解釈にたっていたところ、第二回解散では、「第七条」のみを根拠として解散を行うことができるとの解釈変更が行われたのか。

二 政府は、現在、憲法第七条について、実質的決定権を含む場合もあるとの立場に立ち、憲法第七条第三号の衆議院の解散という国事行為に対する内閣の「助言と承認」を根拠として、内閣の自由な解散決定権が認められるとの見解に立っているとの理解で良いか。

三 この内閣の解散決定権については、一切制約は受けないのか。
どのような理由でも、あるいはどのような状況、例えば未曾有の大災害のような状況、においても、内閣の判断で解散可能なのか。

四 解散権が制約を受けるとすれば、どのような場合か。

五 「第七条により内閣に自由な解散権が認められるとしても、解散は国民に対して内閣が信を問う制度であるから、それにふさわしい理由が存在しなければならない」とする学説がある(芦部信喜「憲法」)が、政府の見解を示されたい。
 右質問する。

出典:衆議院解散についての国会質問

平成三十年五月十一日受領
答弁第二五六号

  

内閣衆質一九六第二五六号
   平成三十年五月十一日
内閣総理大臣 安倍晋三

   

衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員奥野総一郎君提出日本国憲法第七条による衆議院解散に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員奥野総一郎君提出日本国憲法第七条による衆議院解散に関する質問に対する答弁書

一について
  御指摘の「第一回解散においては、「第六十九条及び第七条」を根拠としてのみ解散を行うことができるとの解釈にたっていた」の意味するところが必ずしも明らかではないが、憲法第六十九条は、同条に規定する場合には、内閣は、「衆議院が解散されない限り」、総辞職をしなければならないことを規定するにとどまり、内閣が実質的に衆議院の解散を決定する権限を有することの法的根拠は、憲法第七条の規定である。

二から五までについて
  御指摘の「実質的決定権を含む場合もある」及び「内閣の自由な解散決定権」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、個々の学説についての見解を述べることは差し控えたいが、衆議院の解散は憲法第七条の規定により天皇の国事に関する行為とされているところ、実質的に衆議院の解散を決定する権限を有するのは、天皇の国事に関する行為について助言と承認を行う職務を有する内閣であり、内閣が衆議院の解散を決定することについて憲法上これを制約する規定はなく、いかなる場合に衆議院を解散するかは内閣がその政治的責任で決すべきものと考えている。

出典:衆議院解散についての国会答弁

「実質的に衆議院の解散を決定する権限を有するのは、天皇の国事に関する行為について助言と承認を行う職務を有する内閣であり、内閣が衆議院の解散を決定することについて憲法上これを制約する規定はなく、いかなる場合に衆議院を解散するかは内閣がその政治的責任で決すべきものと考えている。」の答弁を読んでどのように思いましたか。

昨今政治家の発言を聞いていると「〇〇の規定はない」や「問題はない」などと法規定無視の訳の分からない発言をして平然としています。
憲法第3条の「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。」は、「天皇の国事に関するすべての行為そのものに」ついて「内閣の助言と承認が必要」であって、国事行為について「内閣が、その責任を負ふ」と考えるべきです。
従って「いかなる場合に衆議院を解散するかは内閣がその政治的責任で決すべきものと考えている」などという法解釈は成立しません。

ここで再度上記に記載した憲法第69条の説明図を振り返ってみましょう。
憲法第69条 憲法第69条

質問者及び答弁者は国会議員でありながら憲法の条文を正しく解釈できないことがわかります。

憲法第69条「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない」の文中「10日以内に衆議院が解散されない限り」の解釈ができないことに気づきます。
さらに条文中の「衆議院で」が、条文中のどこまでにかかっているかも理解できていないことです。

衆議院で」は、「不信任の決議案を可決」、「信任の決議案を否決」、「10日以内に衆議院が解散されない」の3箇所にかかっています。

衆議院議員全員の任期中の議員資格を喪失させるのですから衆議院解散は、衆議院での議決事項になるのは常識の範囲で民主主義の原則です。

検証7:通常国会冒頭で衆議院解散をした総理大臣の暴挙

高市総理大臣は、2026年1月23日の通常国会冒頭で衆議院解散を強行しました。
1966年には佐藤栄作総理大臣が通常国会冒頭で衆議院解散を行っていますので、その理由を見てみましょう。

1966年、日本の政界では黒い霧事件と呼ばれる不祥事が相次いでいた。
佐藤栄作首相は同年12月の自民党総裁選で再選されるも、多くの批判票が集まった。 一方で前回総選挙から既に3年が過ぎており、野党も黒い霧事件の究明を求める一方で早期の解散総選挙実施を求め、国会運営に支障を来たす状況であった。

第53回臨時国会において、自民党総裁選に伴う内閣改造を受けて開催された12月15日の衆参両院本会議での佐藤首相による所信表明演説は野党欠席の中で行われ、与党自民党のみが質問を行い、その中で野党が要求している衆議院解散問題については佐藤首相は「解散は厳粛なものである」と慎重な答弁をした。

国会の異常状態を打開するため綾部健太郎衆議院議長が与野党を斡旋したが、解散時期の明示を求める野党に対して自民党が拒否することとなった。
一方で新聞を初めとした国民世論は異常国会について佐藤首相と与野党双方に問題があると批判し、政局混迷を解決するには衆議院の解散以外にないとの論調になった。
国会が閉会した翌日に佐藤首相は自民党両院議員総会で「いまや解散を真剣に考える段階が来た」と解散の時期が切迫してきたことを明言した。
佐藤首相は第54回通常国会の冒頭で解散を行うために、野党に対して党首会談を申し入れ、12月24日に開かれた与野党党首会談において佐藤首相は12月27日の衆議院解散を認める態度を示し、これを受けて野党各党も12月27日に召集される国会にそろって出席することを確約した。

12月27日、第54回国会が召集された初日に佐藤内閣は衆議院を解散した。
翌1967年1月に行われた第31回衆議院議員総選挙では、自民党は微減するも逆風下で予想外の善戦をし、安定多数を維持。佐藤首相は求心力を高め、第2次佐藤内閣を発足させた。

この解散以降、政権に不祥事が相次ぐ中で打開策として衆議院を解散して総選挙で善戦することで首相の求心力を維持する構想について、この「黒い霧解散」に例えられることがある。

出典:過去の通常国会冒頭衆議院解散

高市早苗内閣も佐藤栄作内閣も通常国会冒頭での衆議院解散を行っていますが、佐藤内閣の場合は野党や国民までも衆議院解散を望んでいた事実に驚きです。

野党は与党が「黒い霧事件」を抱えているこの状態の時に衆議院解散を行えば、選挙は野党が優勢であると考えたのかもしれません。

高市内閣の場合は、「高市早苗が、内閣総理大臣で良いのかどうか、今、主権者たる国民の皆様に決めていただく、それしかない。そのように考えたからでございます。」と述べているように、要は与野党との国会論争もせずに世論調査の支持率から自民党圧勝を得て再び総理大臣になり、自分の思い通りの政治を行いたいとの考えに他ならないと思いました。

検証8:日本国憲法施行以降の衆議院総選挙の一覧表

衆議院解散等一覧表

見出しの背景が見出しの背景の出典:衆議院解散一覧表>

見出しの背景が 見出しの背景の出典:衆議院解散一覧表>

見出しの背景が見出しの背景は、当サイトが加筆しました。

この解散は  黄色通常国会冒頭で解散

第25回解散の緑色欄は、憲法に違反し無効であるとして提訴され、昭和35年6月8日に最高裁大法廷判決がありました。詳しくは最高裁大法廷判決の検証をお読みください。

ま  と  め

高市総理大臣の衆議院解散によって公費負担額は、朝日デジタル記事によると850億円です。

憲法第69条

憲法第3条に「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。」と規定されていますので、公費で負担した850億円を高市内閣に責任を取ってもらいましょう。

高市内閣による衆議院解散選挙結果は、憲法第69条規定に違反していますので当選しても無効です。
それでは今回解散前の衆議院議員は、そのまま衆議院議員の資格が継続するのでしょうか。
石破総理大臣も憲法第69条違反の解散選挙を行いましたので、無効の選挙によって当選とされた議員が国政を行ってきたことになります。

このように過去の選挙を順に遡って見ていくと、衆議院議員資格のない人々によって国政が連綿と今日まで続いてきたことになります。憂うべき事態です。